特定非営利活動法人 エヌ・ピー・オー福祉用具ネット
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■理事長挨拶

          
    特定非営利活動法人エヌ・ピー・オー福祉用具ネット
            理事長 坂田 栄二

 平素から当法人の活動にご協力ご支援を賜り厚く御礼申し上げます
 この度、令和6年7月1日をもちまして、「特定非営利活動法人 エヌ・ピー・オー福祉用具ネット」の理事長に就任いたしました。
 前任者である豊田謙二理事長が設立当初に描いた「支え支えられて」の標語が本NPOの活動指針であり、後任としてこの指針を引き継ぎ、「地域共生社会の実現」に全力で取り組む所存でございます。
この指針が生まれた背景
本NPOの母体は、福岡県立大学 福祉用具研究会です。平成10年(26年前)からスタートした福祉用具研究会は、学内外に広く声をかけ、福祉に関心のある方の参加を募りました。参加者は、大学教員、学生、障害者保険や介護保険制度に詳しい自治体関係者、福祉用具の製造・販売業者など多岐にわたり、毎月1回、夜間の定例開催でした。
 当初の活動は、研究会に福祉用具メーカーを招聘して最新の用具の説明を受け、学びながら評価し、意見交換することでした。
  また学内体育館や中庭のスペースを活用した福祉用具の展示会場で、福祉用具選定セミナーやフォーラムを開催し、これらの活動は介護保険制度(平成12年)の運用開始とともに関心を集めるようになりました。
  その結果、この福祉用具研究会の研究成果を事業化し、地域貢献を推し進めようという声に押され、当研究会母体として分離する学内ベンチャーという形で、平成14年(2002年)にNPO法人が設立されボランティアの方々に支えられて、これまで22年間事業を継続してまいりました。
  当時、学内ベンチャーは全国で60社程度しかなく、本NPO法人は注目を集め、メディアにも採り上げられました。
4つの事業
 本NPOには4つの事業があり、そのうちの1つは新しい介護技術の普及活動、もう1つは福祉機器を自ら開発・販売し、また開発を希望する企業を支援することです。
  新しい介護技術の普及活動では、福岡県からの受託事業で、介護人材確保を目的とする「働き方改革」として、ノ―リフティングケア技術の普及を進めております。導入・定着を目指す介護施設はすでに60に達しており、これら施設をコアにして県内4つの地域連絡協議会が自ら普及活動を行い、地域への
広がりを見せております。
 福祉機器の開発は産学官連携による多くの機器が 開発、販売されました。中でも床ずれ防止マットや排泄処理装置、車いす用エアークッションは、多くの方々の生活を支えてきました。特に介護シャワーは発売以来18年が経過するロングセラー商品にまで成長しております。
「寝たきり」をなくしたい
 このような活動を進めた背景は、前理事長の願いにありました。 その願いは「人を起こし、地域を起こし、社会を起こす」ことでした。
 前理事長は「本NPOは、人間の置かれている様々な現況から、その人の意思を尊重して、「人間」の回復に向けて支援します。現状から回復に至る過程に、福祉用具の活用があります。欧米の用語では、「福祉用具」は「支援機器」と言われています。「支援」とは「生活支援」の意味です。その支援によって、人間としての社会的生活や想像(構想)できる能力は回復できます。道具だけで人間は回復できません。回復を望む本人の意思、そして支えようとする社会的サービスの担い手の献身的努力にあります。
  「障害」はすべての人にあります。ことは「障害」の軽重にあります。「障害」があるから生活が不自由なのではありません。不自由を強いているのは社会の側です。起き上がりが可能であるのにベッドに寝かせているのは、「寝かせきり」であり、社会的な異常です。「寝たきり」をゼロに、本NPO設立の一つの目標であります。「寝たきり」を避けて「寝かせき
     
り」にしないようにしましょう。そのためには道具を使う必要があります。福祉用具を使って「自立支援」を進めます。」と語っています。
 この自立支援により、人を起こして社会参加していただき、多くの人の社会参加により地域を活発にし、ひいては社会が豊かになる、その日を目指して本NPOは活動を続けます。
  皆様、ご支援くださいますようお願いいたします。
 
                 理事長 坂田 栄二