特定非営利活動法人 エヌ・ピー・オー福祉用具ネット
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■理事長挨拶

    
    特定非営利活動法人エヌ・ピー・オー福祉用具ネット
       理事長 豊田 謙二

  (元、熊本学園大学社会福祉学部大学院社会福祉学研究科
      シニア客員教授・博士)
  (元、福岡県立大学人間社会学部教授)



------------------著書一部紹介----------------------
『宅老所よりあい解体新書』
   2009年 熊本学園大学附属社会福祉研究所
       社会福祉叢書18 雲母書房

『九州・沖縄 食文化の十字路』
   2009年 熊本学園大学産業経営研究所
       研究叢書 42 築地書館

『ウェルビーイングからの生活環境づくり』
   2010年 ナカニシヤ出版

『一人ひとりの社会福祉』
   2011年 ナカニシヤ出版

『焼酎産業の展開と焼酎杜氏』
   2012年

『九州発 本格焼酎新時代-グローバル時代への挑戦』
   西日本新聞など
 
 「エヌ・ピー・オー福祉用具ネット」という名称には、「用具」と「ネット」という用語が合成されています。 
 「用具」は道具と置き換えられます。「ネット」は、人と人との結びめのことであり、ドイツ生まれユダヤ系市民、社会・思想家ハンナ・アレント女史は、亡命地アメリカで「愛」の世界に向けて、コミュニティではなくネットワークの用語を使いました。
 人間は他の動物に対してどのような特徴を有するのか、古代ギリシャの時代から幾度となく問われたことです。人間は「道具」を使い、そして社会的動物である。ネットワークによる社会的活動は、現代社会の特徴点でもあります。もう一つ付け加えていいでしょう。人間は想像できる能力を持ちます。人間は「死」の不可避性さえも想像できます。
 本NPOは、人間の置かれている様々な現況から、その人の意思を尊重して、「人間」の回復に向けて支援します。現状から回復に至る過程に、福祉用具の活用があります。欧米の用語では、「福祉用具」は「支援機器」と言われています。「支援」とは「生活支援」の意味です。その支援によって、人間としての社会的生活や想像(構想)できる能力は回復できます。誤解なきように補足しますが、道具だけで人間は回復できません。回復を望む本人の意思、そして支えようとする社会的サービスの担い手の献身的努力にあります。
 「障害」はすべての人にあります。ことは「障害」の軽重にあります。「障害」があるから生活が不自由なのではありません。不自由を強いているのは社会の側です。起き上がりが可能であるのにベッドに寝かせているのは、「寝かせきり」であり、社会的な異常です。「寝たきり」をゼロに、本NPO設立の一つの目標であります。その母体に「福岡県立大学福祉用具研究会」の活動があります。前者は発足1年、後者は16年であります。かの「研究会」での事例研究のなかで「ネット」が、さらに地域貢献を、という声に押されて設立されました。研究と実践、福祉用具活用の現場と事例研究の過程において、新たな魅力的製品が市場におくり込まれています。ぜひ、お試しください。そして、私どもの社会運動にご参加ください。人口減少による人のつながりの希薄化、一人暮らしの孤独化の深まり、そして認知症の人を支えるネットの重要性、新たな課題は私どもに新な試練を与えています。
 「支え支えられて」の標語が本NPOの活動指針です。田舎の小さな活動ですが、一人ひとりの生き方や意思を大切にしようとする活動であります。小さいですが、大きな夢があります。一人ひとり、すべての人が「幸福」を感じるような、そうした生活づくりのお手伝いをしたく思います。


                                        (平成26年9月)